就職活動や転職活動で多くの人が頭を悩ませる履歴書の項目の一つ、「趣味」と「特技」。
「そもそも趣味と特技って何が違うの？」
「特技なんて特にないんだけど…」
「趣味と特技って関連付けた方がいいの？」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、履歴書における「趣味」と「特技」の基本的な違いから、それぞれの関係性、そして「特技がない」と感じる場合の対処法まで、分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、自信を持って「趣味・特技」欄を埋められるようになるはずです。
趣味と特技の関係：繋げるべき？それとも別物？
まず、「趣味」と「特技」は必ずしも関連している必要はありません。それぞれが独立したものであっても全く問題ありません。
しかし、趣味が高じて特技になった、あるいは特技を活かして趣味を楽しんでいるといったストーリーがあれば、それはあなたの人となりや物事への取り組み方をより深く伝える良い材料になります。
例えば、
- 趣味が特技に発展するケース:
- 「昔から絵を描くのが趣味で、コンクールで入賞するうちに特技として自信がつきました。」
- 「週末のサイクリングが趣味でしたが、長距離を走破するうちに体力と計画性が身につき、今では特技と言えるようになりました。」
- 特技が趣味を豊かにするケース:
- 「学生時代に習得したプログラミングという特技を活かして、休日は自分の好きなゲームのMOD制作を趣味として楽しんでいます。」
- 「仕事で培った語学力という特技のおかげで、海外の文学作品を原書で読むという趣味ができました。」
このように関連性が見える場合、採用担当者はあなたの「好き」という気持ちが具体的なスキルや継続力に繋がっていることや、スキルをプライベートでも活かそうとする積極性を感じ取るかもしれません。
ただし、無理に関連性を持たせようとして、不自然な内容になるのは避けましょう。あくまで自然な繋がりがあればアピールポイントになる、という程度に考えておくのが良いでしょう。
「特技がない…」と悩むあなたへ – 特技の有無と見つけ方
「自分には人に誇れるような特技なんてない…」と感じる方は少なくありません。しかし、本当にそうでしょうか？
多くの場合、「特技」という言葉のハードルを高く設定しすぎている可能性があります。「特技」とは、必ずしも全国レベルの大会で優勝したり、プロ級の技術を持っていたりする必要はありません。**「他人よりも少し得意なこと」「人から褒められたことがあること」「苦にならずにできること」**といったレベルでも十分に特技と言えます。
特技を見つけるヒント:
- 日常生活を振り返る:
- 毎日欠かさず続けていることはありませんか？（例: 早起き、整理整頓、自炊）
- 誰かに「ありがとう」と感謝された経験はありませんか？（例: 人の話を聞くのが上手、説明が分かりやすい）
- 過去の経験を掘り下げる:
- 学生時代の部活動やサークル活動、アルバイト経験の中で、夢中になったことや成果を出したことはありませんか？
- 誰かに何かを教えたり、手伝ったりして喜ばれた経験は？
- 「好き」から見つける:
- 趣味で続けていることの中で、他の人より少し詳しいことや上手にできることはありませんか？
- 時間を忘れて没頭できることは、あなたの隠れた才能かもしれません。
「〇〇なら、少し自信があります」「〇〇についてなら、人に説明できます」といったレベルでも大丈夫です。自己分析を深め、謙虚になりすぎず自分の良いところを見つけてみましょう。
それでもどうしても見つからない場合は、「新しいことを学ぶ意欲があります」「どんな作業も丁寧に行うことを心がけています」のように、仕事への取り組み姿勢やポテンシャルをアピールする形にすることも一つの手です。ただし、「特になし」と書くのは、自己PRの機会を放棄することになるため、できる限り避けましょう。
意外と知らない？趣味と特技の明確な違い
「趣味」と「特技」、似ているようで実は意味合いが異なります。それぞれの定義を理解することで、履歴書に何を書くべきかがより明確になります。
| 項目 | 趣味 (Hobby) | 特技 (Special Skill / Talent) |
| 定義 | 個人的な楽しみや気晴らしのために行うこと、好きなこと。 | 他の人よりも特に優れている技術や技能。特別な才能。 |
| 目的 | 自己満足、楽しみ、リフレッシュ、自己成長など。 | 他者に評価されること、何かに役立てること（仕事など）も含まれる。 |
| 主観/客観 | 主観的な要素が強い（自分が好きかどうか）。 | 客観的な評価が伴うことが多い（他人から見て優れているか）。 |
| レベル | 必ずしも高いレベルや専門性は求められない。 | ある程度のレベルや熟練度が期待されることが多い。 |
| 具体例 | 読書、映画鑑賞、スポーツ観戦、旅行、料理、ガーデニング | 語学、PCスキル、楽器演奏、スポーツ、速読、記憶力、分析力 |
簡単に言えば、
- 趣味: あなたが「好きでやっていること」「楽しんで時間を費やしていること」
- 特技: あなたが「他人よりもうまくできること」「自信を持って提供できるスキル」
と捉えると分かりやすいでしょう。
例えば、「料理」は趣味でもあり、特技にもなり得ます。
週末に家族のために料理を作るのが「趣味」である一方、調理師免許を持っていて、手際よく大人数の料理を作れるのであれば、それは「特技」と言えるでしょう。
大切なのは、それぞれの言葉のニュアンスを理解し、自分自身を的確に表現することです。
まとめ
履歴書の「趣味」と「特技」の欄は、あなたの個性や人となり、そして潜在的な能力を採用担当者に伝えるための貴重なスペースです。
- 趣味と特技の関係: 必ずしも関連付ける必要はありませんが、自然な繋がりがあればアピールポイントになります。
- 特技の有無: 「特技がない」と諦める前に、自分の経験や日常を振り返り、「他人より少し得意なこと」を探してみましょう。
- 趣味と特技の違い: 「趣味」は主観的な楽しみ、「特技」は客観的に見て優れているスキルと理解し、自分自身を的確に表現しましょう。
難しく考えすぎず、等身大のあなたを伝えることが大切です。面接では、この「趣味・特技」欄から会話が広がることも少なくありません。正直に、そして具体的に書くことで、あなた自身の魅力を最大限にアピールしてください。
この記事が、あなたの就職・転職活動の一助となれば幸いです。 その場合は簡単に書き添えた方が良いでしょう。